障害がある子供の看護で重要なこと

重症心身障害児施設に入所しているのは、肢体不自由や知的障害といった障害がある子供達である。ケアを怠れば、死に至る発作などのリスクを抱える子供もいる。
重症心身障害児シセルにいる子供は自力で移動や食事ができないだけでなく、言語を駆使できずコミュニケーションが難しい場合が少なくない。動作や文字で意思を伝えられる子供もいるが、泣いたり笑ったりといった表情以外の伝達手段を持たない子供も多い。

こうした重症心身障害児の看護では、まず子供の意思を汲み取ることが重要だ。
自分の意思をうまく伝えられないことにストレスを感じている子供の要望を誤って解釈してしまうと、ますます児童の不満が肥大してしまう。いらいらした子供が物を投げるなど看護師にあたることも珍しくない。
重症心身障害児施設で子供達のケアを行う看護師は、子供の意思や感情を読み取ることができず、悩んでしまうことがあるだろう。相手の要望や感情を理解できなければ、適切な看護を行うことができないためだ。

どんなに高度の医療技術を身に付けていても、重症心身障害児施設にいる子供の意思を解釈することは容易ではない。意思や感情の表現方法は個々によって千差万別であり、優秀な看護師であっても最初から子供の意思を適確に把握することは困難だろう。
しかし、相手の意思を理解できないからといって、自分の不甲斐なさを責めてはいけない。子供達に粘り強く接し、気持ちに寄り添う姿勢を崩さないことが重要である。
重症心身障害児のケアを行う看護師は高度の医療技術があるか否かだけでなく、意思疎通の難しい子供と真摯に向き合い諦めずに交流を深めていく覚悟があるかどうかも問われている。